日本の道100選・天城路

 
 天城路は、天城湯ヶ島町と河津町の境にある標高800メートル程の峠の道であり、峠は狩野川と河津川の分水嶺となっています。
 ここには豊かな天城文学を形成する作品の文学碑や歌碑が、周辺の自然との調和を図りつつ数多く建立され、行き交う人々に語りかけています。
 文学などに綴られた天城の詩情あふれる道、それが天城路です。
 天城路は、天城山中第1の名瀑「浄連の滝」にはじまり、深い木立に端を発する清らかな清流沿いに点在するワサビ田、昭和天皇在位50年記念「昭和の森」、さらに南下すれば「河津7滝」、「ループ橋」へと、その道筋は、鮮やかな緑・せせらぎの音・鳥のさえずり・樹々の香りなどにあふれるリフレッシュの道でもあります。
 

日本の道100選への指定

 古くから難所中の難所であった天城路は、先達によって改良が加えられました。
 明治時代には、当時の最高水準の技術を傾注して、天城トンネルが開通し、南北交通は飛躍的に向上しましたが、時がたつにつれて交通量も増加し、新天城トンネルやループ橋が建設され、現在を迎えています。
 しかし、道筋は今も昔も変わらない豊かな天城の自然につつまれて、情緒にあふれています。
 伊豆の中心にある天城路のたたずまいは、正に伊豆そのものであるといえます。このような、ことから天城路は、昭和62年に「日本の道100選」の一つに選ばれ、建設大臣から顕彰されたことは、大変に意義深いものがあります。