元気の源!天城の梅

 梅は、中国の原産と言われ、2,000年の昔から薬として使われて来ました。奈良時代、初めて日本に渡来したときは、「烏梅(うばい)」という漢方薬でした。その当時から、食薬として珍重され、江戸時代には現在のような「梅干し」「梅肉エキス」も作られるようになりました。
 「梅は三毒を断つ」とか、「梅はその日の難逃れ」など、梅にまつわる諺や言い伝えは、非常にたくさんあります。
 一粒の小さな梅の実には、私たちの健康に欠かすことの出来ない、優れた成分が多く、梅はすばらしい役割を果たしています。

梅の効能 天城湯ケ島町の梅シロップ 風邪に効果抜群!梅干の黒焼き
 活力増進、疲労回復、体内の清掃役、老化予防、殺菌効果が特にあると言われています。加工梅の代表選手は「梅干し」です。これに松葉を入れると梅の持つ酸味と松葉の渋みがマッチして独特の風味が出ます。また、松葉に含まれる葉緑素と、それと共存するフラボノイドという物質が、体に良い影響を与え、特に胃腸の健康管理や便秘、利尿に効果的です。
 なお、梅干しを作るときの水は、「梅酢」とよばれ、大根・ミョウガ・菜の花などのつけ汁の原料にもなりますが、それ自身にも「夏バテ防止」「健胃」「疲労回復」などに良く効き、脳貧血や下痢の時にも、さかずき1〜2杯で効果が出ると言われています。
 梅干しを、焼酎のお湯割りに入れて粉々に砕いて飲むのも、楽しみの一つ。ただ、飲み過ぎサインが出ませんので、コントロールをお忘れなく。また、粉砕された梅干しは見栄えがしないことも難点以上マイナス要素を差し引いても、梅干し焼酎は大変に美味しいという当地の評判。粉砕された梅干は、若い女性も敬遠するケースが多いので、中年以上にお奨め。
 天城湯ケ島町では、月ケ瀬と言う地域で、昭和43年の「農林構造改善事業」によって、地区の農家84戸が参加し、約7.5ヘクタールの梅園・農道の新設を施行し、2,500本の梅を植栽して共同梅園の管理を始めました。当初は野うさぎ、イノシシの被害や自然災害にあったりで、下刈り等の管理労力が多くかかって生産は上がらなかったのですが、昭和50年頃から多少収穫も上がり、2級品加工の必要が高まって来ました。
 そこで、登場したのが梅シロップです。梅シロップは簡単にでき、梅と砂糖だけで作る安全な飲み物です。さややかな甘酸っぱさが、子供からお年寄りまで好評で、特にアルコール分ゼロという事から、運転者の疲労回復にも良いという事で商品化し、今では町の名産です。もぎたての、梅を一度に大量に使って作られる天城湯ケ島町の梅シロップは、香りとコクがあり、好評を得ています。ちなみに私は、夏には焼酎に入れて飲んでいます。大変飲み口が良いのは結構ですが、つい飲み過ぎるのが難点、少々セーブしながら味覚を楽しんでいます。
 梅干しは、アルカリ食品として、昔から私たちの食生活に無くてはならないものでしたが、そのまま黒焼きをすると、風邪に効果抜群と評判です。
 本来は、庭に穴を掘り、素焼きの土瓶や瓶に梅干しを入れて密封し、炭やモミガラで焼いて出来上がりますが、家庭でもっと簡単に出来ます。その方法は、
(1)梅干し1〜2個をアルミホイルで包む。
(2)強い直火で周囲が黒くなるまで焼く。
(3)丸ごと茶碗に入れ、砂糖か蜂蜜を少し加え、粉砕して飲む。
是非お試し下さい。