椎茸(しいたけ)栽培発祥の地

 17世紀末、湯ケ島のある村人が、天然キノコの発生木に、翌年の採取のための目印として、鉈目を入れておいたところ、次の年、その鉈目から多くの椎茸が発生していることに気づきました。これをきっかけに、湯ケ島で日本初の椎茸人口栽培が始まります。栽培法は、当町を中心とした、周辺町村の秘密とされ、この技術を持った天城出身の椎茸師が、各地で活躍したと言います。現在、椎茸の主産地を明け渡した形の九州地方に人口栽培を伝えたのも、このような椎茸師です。
 この椎茸師の活躍が、後に天城湯ケ島へワサビ栽培の技術をもたらします。

椎茸(しいたけ)の効能 干し椎茸(しいたけ)の戻し方
 椎茸は、栗・シイ・クヌギ・コナラなどの枯れ木に生える食用きのこで、各種のビタミン類、ミネラルが豊富に含まれています。このビタミン類にはB1,B2,B6等のほか、他の食品には少ないD2の母体であるエルゴステロールが含まれており、紫外線に当たるとD2に変わり、骨や歯の発育を助ける働きをします。
また、鉄や胴などの造血のために必要な無機質やリンが他の食品より多いのも特徴です。椎茸にはグアニール酸が含まれており、これが独特のうま味を出すため、料理には欠かせません。
 椎茸には驚くほどの効能があります。その一例を紹介すると、
☆風邪を治す ☆コレステロールを下げる(高血圧・動脈硬化・心筋梗塞を防ぐ) ☆腎臓病に効く ☆胆石をとかす(胆嚢予防に) ☆糖尿病の治療に ☆胃腸障害に ☆低血圧・貧血の治療に ☆骨や歯の発育を助ける ☆小児ゼンソクに ☆ガンの予防に ☆疲労回復に ☆熱に弱いビタミンの破壊を防ぐ ☆美容に ☆水虫の治療に ☆冷え性に ☆不眠症にまた、吹き出物など治りにくい皮膚病には、干し椎茸3〜4個をそのまま湯船に入れてゆっくり入浴すれば、効果があるといわれています。お試し下さい。
 生椎茸はともかく、干し椎茸は、扱い方がわるければ十分な効能を引き出せません。そこで、正しい干し椎茸の戻し方をお知らせします。
(1)軸の付け根が柔らかくなるまで戻しましょう。
(2)13〜15度の水に浸け冷蔵庫の中で、5〜8時間戻すのが、最も味と香りが良い。
(3)早く戻したいときは、45度位のぬるま湯に1時間程漬けて戻します。また、ぬるま湯に漬け
   てラップし、電子レンジに入れると、約2分位で簡単に戻ります。
(4)水戻しは、うま味成分や栄養など、総合的に評価しますと、5度位で半日から一日かけて戻す
   のが良いと考えられています。
 水で戻した「戻し汁」は、栄養やうまみ成分が解け出していますので、上手に使って下さい。